歌会始に堺市の全盲女性 詠んだのは「心の中の光」(産経新聞)

 皇居・宮殿(東京)で14日に行われる「歌会始の儀」に、堺市在住の全盲の主婦、森脇洲子さん(69)が詠んだ短歌が入選し、天皇皇后両陛下はじめ皇族方に披露される。今年のお題は「光」。8年前に病で光を失った森脇さんは「目は見えなくても、心の中にはずっと光がともっている」との思いを歌に込めたという。晴れの舞台を前に、「視力を失って落ち込んでいる人たちへの励ましになればうれしい」と話している。

 森脇さんが本格的に歌を詠み始めたのは20歳代前半。日々の暮らしの潤いだった。ところが、35歳で網膜色素変性症と診断され、視力が徐々に低下。字を書くのにも苦労するようになり、50歳前後で一度は筆を置いた。

 しかし、ふと気づけば頭の中で日常の場面を歌に詠んでいた。「やっぱり、私は短歌が好きなんだ」と悟った。音声パソコンや点字を懸命に習い、約4年後に歌作りを再開した。

 夫を亡くした平成14年ごろには完全に見えなくなった。だが、他の研ぎ澄まされた感覚が歌に生きた。

 ある日、ヘルパーに「梅の花がきれいに咲いているよ」と教えられた。色を尋ね、手でそっと触れた。花びらがひらひらと散り、満開だったことに気づく。辺りが馥郁(ふくいく)たる梅の香に包まれた。「手に触れて 散る花びらよ 草もえの 地に届く間も 香る紅梅」。散り際まで香る梅のように生きたいとの思いを込めた。

 歌会始には、短歌会の友人に勧められて応募。長男にも「お母さんなら、他の人とは違う歌になるんじゃないか」と背中を押された。入選作は、2万3346首の中からわずか10首。昨夏に家族と旅行した故郷・熊本で、きらめく太陽の光を肌で感じた体験を率直に詠んだ。

 作品に込めたという「心の中の光」。それは、森脇さんにとっては周囲から受ける「愛情」のこと。ありのままの自分を受け入れてくれる短歌会の仲間や恩師、短歌雑誌を読んでくれる朗読ボランティア、外出時に付き添ってくれるヘルパー、そして家族…。「すべての人たちの優しさが、私にとって大きな光になる」と話す。

 視覚障害者の入選についての正確な記録はないが、「少なくともこの数十年間はないはず」(宮内庁)という快挙。12月上旬に朗報を聞き、「ビックリして、足がガクガクと震えた」と森脇さん。だが、歌会始は「短歌をたしなむ人には夢のような舞台」だ。今では当日が待ち遠しい。

 「失明しても自分の中に光を見いだせれば、道が見えてくると思うんです」。そんな思いが同じ境遇の人たちに伝わればと願っている。

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